赤い世界に魅せられて

東京都現代美術館写真

皆さまこんにちは、船木です。

前回までの投稿がかっちりとした内容だったので、今回は毛色を変え、ややカジュアルにまいりたいと思います。

先日メンバー3人で、Chief Designing Artist下邨推薦の「石岡瑛子展覧会 血が、汗が、涙がデザインできるか」を観に東京都現代美術館へ行きました。

見応えある多くの作品がある中で、彼女が衣装を手がけた映画『ドラキュラ』の展示が脳裏に残っています。煌びやかな衣装を纏った俳優陣がそこに存在しているかのような空間。そこに浮かび上がるドラキュラの”赤いローブ”。一見ドラキュラを想像しにくいトランスセクシャルなその赤いローブは、「今までの当たり前」を塗り替え、彼女の意思やこだわりの新たな世界観が表現されているようで、今までとは異なる新しい道を進み始めた今の私自身を重ねていたのかもしれません。ローブのエンブレムや、他の衣装に散りばめられた鳥や虫や動物達の姿も不思議で、多様な存在が共存している世界がファンタジーにもリアルにも感じられ引き込まれました。

創業したばかりの今のタイミング。背中を押していただけたように感じながら、鑑賞後半ば放心状態だったところをメンバーが迎えてくれました。この日この場で感じたことがいつか血となり、汗となり、涙となって人生をデザインできる日がくることを祈りながら、前に進みたいと思います。

会期期間は2/14(日)までで事前予約制。よろしければ、足を運んでみてはいかがでしょうか?

石岡瑛子展覧会 血が、汗が、涙がデザインできるか」 
東京都現代美術館 2021.2.14(日)まで
東京に生まれ、アートディレクター、デザイナーとして、多岐に渡る分野で新しい時代を切り開きつつ世界を舞台に活躍した、石岡瑛子(1938-2012)の世界初の大規模な回顧展。

「藝術」という表記へのこだわり

はじめまして、each tone の船木です。これからどうぞ、よろしくお願いいたします。

私たちeach toneは、〜藝術の力を社会へ〜と企業理念にうたっているように、「藝術」という旧字体を意図的に使っています。今日の常用漢字では「芸術」の方が一般的。それでもあえて、「藝術」とすることにこだわりました。「藝」と「芸」の意味合いや、”Art”が訳され「芸術」と表記されるように至った背景を知ることで、私たちがイメージするのはまさに、「藝術」であるという結論に至ったからです。

  • 〈藝術〉は、そもそも、明治期に西周(にしあまね)が”Art”を訳すにあたり、作った語
  • 当初、西は〈藝術〉としたが、のちに、その略語として〈芸術〉が普及した
  • 「藝」の意味とは「ものを種える」(うえる、植える)の意味
    「人間精神において内的に成長してゆく或る価値体験を種えつける技」
  • 「芸」の意味とは農業用語、音読みは「うん」、訓読みは「くさぎる」、「草を刈り取ること」の意味
  • つまり、「芸」の語は、「原意の藝とは反対の意味を持つ字」
〈出典:今道友信『美について』講談社現代新書 1973年 p6, p75-p76〉

戦後間もなく制定された当用漢字の中で、「芸」は「藝」の略字と定められました。人々が文字や言葉の成り立ちを知った上で普及していったのではなく、国家施策として定められたものがそのまま定着した。そんな歴史があったのです。

私たちは、一人一人の持つ可能性の”チカラの種”を見付けて、藝(う)えていきたい。藝えられた”チカラの種”たちが集まって、予想を超えたカタチで芽吹いていく。その先には一体、どのような世界が待っているのでしょう? 田畑に降り注ぐ豊かな太陽の光のように、大地に潤いをもたらす雨水の滴のように。「藝(わざ)を携えながら、藝える存在になっていきたい」。

〜藝術の力を社会へ〜 私たちeach toneは、それぞれの”チカラの種”が集まって、まさに藝えられたばかり。これから皆さんの”チカラの種”と一緒になって、芽吹いていく世界を楽しみにしています。

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