【Artists Interview ~藝術の力を社会へ~】#9

こんにちは、高橋です。2021年の大晦日いかがお過ごしでしょうか。

連続インタビュー企画【Artists Interview ~藝術の力を社会へ~】を更新いたしました。

9回目となる今回は、作品制作の経験を経て看護師となられた塚田尚子さんのインタビューです。

アート、モノづくりにおける視点とケアの現場の興味深い重なりについてお話を伺いました。

以下のリンクから、ぜひご覧ください。

Artists Interview #9 塚田 尚子(つかだ なおこ)さん

想定外の余白を楽しむ―モノづくりと医療を重ね合わせたその先

2021年の終わりに、感謝をこめて

柿田京子です。北アルプスの絶景を眺めながら、2021年最後のエッセイをお送りします。

松本市より北アルプスを望む

「~藝術の力を社会へ~」を理念にeach toneが誕生した今年、何よりも感動的だったのは、多くの方々がこの理念に賛同し、手を差し伸べてくださったことでした。小さなベンチャーも大企業も、インターネット上で互角に情報発信ができる現在、呼びかけには見ず知らずの方々も応えてくださり、そこで素晴らしい出会いが生まれることがわかりました。遠くから、私たちを発見してやってきてくださる方もありました。
世界は、思っていたよりずっとみずみずしく、温かく、手ごたえがあったのです。

「祈り」をテーマとした1stプロジェクト「víz PRiZMA」は、生きること・死ぬことという大きすぎるテーマをかかえ、難度を極めました。サービス設計に費やした時間は計り知れず、深い考察の繰り返しは、私たちを鍛えてくれたような気がします。

まだこの世に存在しないサービス、だれも考えつかなかった概念を、どのようにみなさんにお伝えするのか?どのような言葉で、どのような映像でお伝えすれば、受け取りやすく、わかりやすいのか?毎日毎日これを問いかけることで、じわじわと見えてきたものがありました。

まこなり社長のYouTube動画(「まだマサラタウンにいる人へ」)に励まされて、起業した1年前。「とにかくやり始め、隣町まで行ってみる。理由なんていい。新しいことをするために、新しいことをする。」「隣町までたどり着いた日には、別人に成長している。世界が違って見えてくる。やりたいことが山ほど出てくる。」

隣町はまだもう少し先ですが、出発点からは、ずいぶん遠くまでやってきました。来年2022年もまた、寄り添ってくださる皆さま方と挑戦を続け、さらなる高みを目指していきます。

今年1年、素晴らしい出会いの数々に心から感謝します。様々なかたちで私たちを支えてくださった、たくさんのみなさん、どうぞ良いお年をお迎えください。
新しい年が、皆さま方にとって希望に満ちたものでありますように。
来年もまた、どうぞよろしくお願いいたします。

曖昧な信念

風が吹くことが多い地域では、風の呼称が多数存在します。
雨が降ることが多い地域では、雨の呼び方が様々あります。
香りに文化的重点をおく地域では、香りを表現する言葉が多彩です。

さまざまな言語において、ある特有の事象や状況に注目し、それを表す他言語にはなかなか翻訳できないニュアンスがあります。

ブラジル音楽が好きな私が、例に挙げるとしたら、ポルトガル語の「saudade」。
こちらは、辞書をひくと、“郷愁,望郷,懐旧の念,思慕,ノスタルジー,懐しさ(現代ポルトガル語辞典/白水社)”とあります。
けれども、ひとことでは言い表せないくらいの、複雑な感情を含んでいます。例えばそれは、日本語の「粋」が英語で「cool」や「chic」と翻訳されて、ちょっと違うなぁと日本人が感じるのに似ているかもしれません。

私はこういう、雰囲気というか、観念というか、感覚みたいな、不確かなものに惹かれます。
まだ名前の付いていない感情に名前をつけるような。
香ってくる匂いをカタチにしたらどうなるのだろうとか。
タマムシの羽の虹色を伝えるにはどんな音にしたら良いか。

人々の持っている定規の目盛りやその単位は、それぞれ違うでしょうから、その誤差に、クスッとしたり、ガクッとしたり、ドキッとしたりするわけです。

取り留めもない文章になりましたが、下邨は普段こんなことをボケッと考えており、これからもそうなのだろうな、と思います。

最後に、今回の投稿の着想を与えてくれた絵本をご紹介して終わります。

『翻訳できない 世界のことば』エラ・フランシス・サンダース 画・著/前田まゆみ 訳/創元社 刊

2つの色の世界

先日のこちらの投稿で、下邨が「白」について語りました。今回は、こちらのトピックをもう少し広げてみたいと思います。

タイトルを、「2つの色の世界」としました。以前に「白」の投稿を書いたから、今回は「黒」でしょう。はい、そうなんです。けれども、もう少し首をつっこんで、「白」は何色でできているか。「黒」は何色でできているか。想像してみませんか。
少し専門的な話も出て来ますが、とても興味深い「2つの色の世界」なので、このひととき、色の世界を旅行しましょう。

1つ目の色の世界

小学生の図工の時間、絵の具でお絵描きしましたよね? 8色か、12色か、絵の具セットの色全部混ぜて使ったらどんな色になるだろう? やりませんでしたか? 画用紙が真っ黒になっちゃった… ご経験ありませんか? これが1つ目の色の世界です。
「絵の具」または「インク」などのは、混ぜれば混ぜるほど、黒く濁っていきます(ここでは色相環の説明は割愛します)。この混色の方法を、減法混色(げんぽうこんしょく)といいます。

2つ目の色の世界

こちらは、コンピュータなどをお使いの方はよくご存じかも知れません。コンピュータに明るくない方も、ご心配いりません。もう既にご経験されていますから。
私たちの「目」の奥の網膜には、色を感じる細胞があり、「光」が入ってきたときに我々は脳で色を感じ取ります。人間の網膜は、「光」がないところ(例えば、暗闇)ではなにも見えません。こちらの「光」がキーワードです。「光」がない所では黒が見え、赤色・緑色・青色を感じる錐体細胞(すいたいさいぼう)が一斉に刺激を受けると、目が真っ白にくらむ。こちらの「光」の混色の方法を、加法混色(かほうこんしょく)といいます。

おさらいです。
絵の具は、全部混ぜると「黒」になり、「減法混色」と呼びます。
光は、全部混ざると「白」になり、「加法混色」と呼ばれます。
面白いと感じていただけますでしょうか?

もう少し、面白いと思えるように、お手伝いいたします。
この話のポイントは、私たちの目は、「減法混色」で描かれた絵画作品の「黒」を、「加法混色」のセンサーである網膜の錐体細胞で感じ取っているということなのです。
モノクロームの写真の黒に、色の深みを感じたり。逆に、白いベタ塗りに、7色の煌めきを感じたり。これら、「2つの色の世界」の差異が成せるステキな現象だと思うんです。
ほんの少しだけでも、興味深さを感じていただけたでしょうか?

さあ、色の世界の旅行ガイドは、そろそろ終わりのようです。
また、次の旅でお会いしましょう。

絵は気持ちで描く

こんにちは髙橋です。

今日は、わたしが絵を描くことについて、どう考えているのか。個人的な所感をお話しようと思います。

以前のわたしは、絵を描きたいと思っているのに描きたいものがなくて困っていました。描く力がなくなったのかと思うほどでした。 

時々、描きたいものはあったのですが、満足いくように描けないと思うと手が止まる。満足いくように描くには、手を動かして試行錯誤を重ね、資料と見比べながらイメージを固める作業を繰り返す。そうすれば仕上げまで進めて行けたはず。それができなかったのは、思い込みがあったからです。

自分の中の思い込みが、描くことに対して消極的にさせていました。しばらく描かない期間ができると、下手になっているんじゃないかと焦りも出てきます。上手く描かなければとか、スムーズに理想にたどり着けないのを、力不足と感じて気持ちが途切れてしまう。 

描かなくなったのは、そもそも描きたいものがない。描く目的がないからだということは、自分でもわかっていました。アイディアやひらめきを生むためのインプットも足りませんでした。描くこと自体が目的になると、絵は描けなくなってしまいます。 

そもそも絵は非言語のメディアです。何か伝えたいものがあって、伝えたい誰がいるから描き続けられるものだと思います。 

そんな思い込みをどうやって解いていけばいいのか悩んでいたとき、ある作品に触れました。こんなふうに絵を描いてみたいという気持ちが強烈に、しかし驚くほど自然に湧いてきました。 

再び描き始めたことでわかったのは、絵を描く力は落ちないということ。描きたい気持ちがでてくれば 、細かいところまで諦めずに調整したくなるのでクオリティがあがり、結果として思い通りの仕上がりになります。描きたいのに描けない。描きたいように描けないという、心のつかえを越えていくことができました。 

伝えたいことがあれば、人は自然と行動に移すことができます。例えば、面白い映画を見たら内容を人に話したくなることがあるでしょう。映画のどこに感銘を受けたのか自分の視点で魅力を伝えたくなるものだと思います。特に人に視聴をすすめたい時は、どんどん言葉が出てくるのではないでしょうか。 

絵は、思考や感情も含めた情報の伝達です。伝えたい気持ちがあれば絵が描ける。その本来的なところに立ち返ることができました。

わたしにとって、心ときめく作品との出会いがもう一度、絵に対する気持ちを整え温めてくれる存在となったのでした。

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