修了を目の前にして

皆さまこんにちは、船木です。3月に入り、ご自身やご家族の卒業シーズンを迎えられている方も多いでしょうか。私も、each tone創業メンバーとの出逢いの場にもなった東京藝大DOORプロジェクトを、1年間の履修期間を経て今月末に修了します。

コロナ禍の中、スタートも最終講義もオンラインとなった今年度。時間的・物理的な制約を超えて自由度が増したことにより生まれた、新たな学びを体験しました。今までなら制約があり難しかった方の受講も実現したでしょう。

一方、世の多くの方々がそうであったように、時と空間を共にしたくてもすることができない感覚を常にどこかに抱き続けたまま、修了式を迎えることになりました。コロナ禍以前に受講したeach toneの他2名のメンバーから様子を聞く度、羨ましく思うこともありました。

1月末、最終講義が終わりパソコンから「退出」した後。クラスでのざわめきも打ち上げも無い静かな自宅で、どこか宙に浮いていて感情が追いついていかない。

その何とも言えない感覚を埋めたい気持ちもあり、プロジェクト同期の「修了とこれから」に向けた実行委員に手を挙げました。キックオフミーティングに集まった他の受講生からもヒシヒシと伝わってくる、「このまま終わりたくない」「もっと繋がりたい」「ここからまた、はじめたい」という想い。急遽の招集にも関わらず、職場からの参加も含めほぼ全員が集っていたのです。

“会えないもどかしさがあったからこそ、繋がりたい気持ちが溢れ出てくることに気が付いた”

“対話を重ねることが難しかったから、これからもっと知っていきたいと思った”

この1年間抱えてきたもどかしさをも包み込んで、これから少しずつ、新しい繋がり方を探していきたいと思います。

東京藝大DOORプロジェクト:Diversity on the Arts Project…「アート×福祉」をテーマに「多様な人々が共生できる社会」を支える人材を育成するプロジェクト。社会人と藝大生が一緒に学ぶ。

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地中に咲く花

皆さまこんにちは、船木です。本日はある本を読み終えての所感をお話ししたいと思います。

アート思考。教養知識としてのアートや作品についての上手下手の評価ではなく、「作者はどのような視点と意図でこの作品を制作したのか」「作品を前に自分はどのように感じるのか」「そう感じたのはなぜだろうか」ということを深堀りしていく本書。

「当たり前だと思っていたことも、はたして自分自身の視点と基準で本当にそう思っているのだろうか」ということに疑問を持つ。自分自身に問い、その問いを丁寧に繰り返していくことで自分の内側にある“興味のタネ”が何なのかに気付き、そのタネから”探求の根”を地中に下ろしていく。

私自身、美術や音楽、舞踊といったいわゆる”アート”を極める道を歩んできたわけではなく、専攻や経験してきた仕事がクリエイティブな業界業種だったかと問われれば、それも”No”だと思います。しかし、アート思考とは限られた一握りの人々のものではなく、誰の中にでも存在していて、例え今は眠っていたとしても呼び覚ますことができる。本書読了後、改めてそう感じました。

以前から、私は人一倍「今何を感じているのだろう」「どうしてそう感じたのだろう」という問いや興味を持ち、不器用ながら自分なりに咀嚼しようとしてきたように思います。世の中や周りの価値基準に、自身の考えを当てはめようとしてうまくいかないことも多々ありました。しかし周りからの手ほどきも受けながら、少しずつ、確実に、自分の内側の”興味のタネ”を見つけ、”探求の根”を地中に下ろしていることを実感する今日この頃です。

たとえそれが、周りからは咲いていないように見えたとしても、自分すら気付かない”花”であったとしても、タネから根を伸ばす過程そのものが”花”であると私は思うのです。

あなたの”興味のタネ”は、何なのでしょう?
その”タネ”にどのようなお水や栄養を与えて、”探求の根”を地中に下ろしていき、どのような”自分だけの花”を咲かせたいですか?
問いや興味を持った方。よろしければこちらの本を手に取りつつ、ご自身の内側へと想いを馳せてみてください。

末永幸歩/「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考/ダイヤモンド社/2020

スティーブ・ジョブズの”Connecting the Dots”

こんにちは。柿田京子です。先週のフォントの話を続けます。

最初に、下邨の問い「漫画に複数のフォントが使われるのはなぜ?」の答え。

ひとつは、読みやすさ。出版の活字は明朝体が一般的ですが、週刊漫画誌のように紙質が悪いと明朝の細い横棒が見えにくい。そこで、横棒使いの多い漢字にはゴシック、平仮名は明朝と、混合字体が定着していったそうです。

もうひとつは、ズバリ、漫画の世界観を効果的に表現するためです。その時々のストーリー状況を的確に表すために、ナレーションと感情的な叫びでは、フォントが変わります。紙面に刷る時の読みやすさも考慮しながら、漫画の世界観を伝え、読者の没入感を高めるために、漫画ではフォントが複数使われます。

漫画は、文字(フォント)選びも含めての藝術なのですね。

パソコンにフォントを採り入れたのは、皆さんよくご存じのアップルの創始者、スティーブ・ジョブズです。

スティーブは大学に入学するも、退屈な必修授業を前に、学ぶ意義と高額の学費に悩んで中退。行き場のないキャンパスを18ヶ月余り放浪しながら、心惹かれたカリグラフィー(レタリング)の授業に潜り込み、あてもなくその手法を習得します。

そして10年後、初代マッキントッシュ・コンピュータを世に出そうとした時、突如この経験を思い出し、コンピュータにフォントを採りこむことを思いつくのです。

スティーブは語ります。

人は、将来を見据えながら点を結ぶことはできない。私たちにできるのは、振り返って点を結ぶことだけ。いま手掛けている、心惹かれるひとつひとつが、将来何らかの形でつながると信じて、やり続けるしかないと。そのために、自分の勇気であれ、運命であれ、何であれ、何かを信じてやり続ける。自分の心に従うことに自信を持ち、それがたとえ一般的な方法から外れようとも、やり続けることの意義を、スティーブはその生涯をもって教えてくれたのだと思います。

点を結ぶ話は、スティーブが2005年、スタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチの一節です。折に触れ、このスピーチを聞き返しながら、現在のeach toneの歩みもまた、未来へつながる点のひとつであることを信じて、一歩一歩進んでいきたい思います。

フォントがつくる世界観

こんにちは、下邨です。

久しぶりの投稿となりますが、やはり私の専門領域であるデザイン系のトピックを採りあげようと思います。

みなさまはフォントについて、どれくらい気にされているでしょうか? 私のように仕事柄、常に向き合っている方も居れば、あまり気にされたこと無いという方もおられるかも知れません。日本語フォントであれば、明朝体とゴシック体。アルファベットであれば、セリフ体とサンセリフ体ぐらいの違いはご存じでしょうか?

私たちの周りはフォントに包まれています。電車に乗れば駅名の看板書体から、車内の広告に溢れる文字。ほぼ一人一台は持っておられるであろう、スマートフォンの中。この投稿をご覧いただいている時点でも、フォントの恩恵を享受しておられるわけです。

では、フォントの種類により、受ける印象が変わることを感じたことは無いでしょうか?

極端な例えをしますが、こんな弁護士事務所のロゴマークにどんな印象を持たれますか?

法律事務所フォント

また、こんなティーン向け雑誌のキャッチコピーはどうでしょう?

雑誌コピー

フォントが変われば、イメージが変わることを実感頂けたでしょうか。

このように、私たちはフォントから「文字の内容以上」の情報を受け取っています。逆に言うと、デザイナーは「文字以上のイメージ」を込めて、制作をしています。each toneのロゴにも様々な想いを込めてデザインをしているのです。

ここまで読んでくださった皆さまは、何故、マンガのセリフに使われるフォントが明朝体とゴシック体混合が多いのか、気になってくるはずです。ご興味がありましたら、調べてみてください。

また来週の投稿をお楽しみに!

“ただいま〜”のオフィス

RYOZAN PARKの看板

皆さまこんにちは、船木です。
今日は私たちがお世話になっているシェアオフィスを運営されているRYOZAN PARKさんをご紹介しつつ、創業からちょうど1ヶ月経った今、感じていることを言葉にしたいと思います。

RYOZAN PARKさんは、「働く」「学ぶ」「暮らす」「育てる」の新しい形を提案しているコミュニティです。私たちeach toneは「働く」の部分、シェアオフィスでお世話になっています。アートがお好きで懐も体も存在感も大きなオーナーさん、気さくでヘルプフルなスタッフの皆さん、職業・世代・国を超えた利用者さんなど、多様な方々が不思議と混ざり合いながら空間を共にしています。起業という未開の地に足を踏み入れ、分からないことや戸惑うことも多い私たちに、オーナーさんやスタッフさんは気さくに声をかけ、機会や人を紹介して応援してくださいました。実際にこちらからのご縁が繋がることもあり、少しずつ未開の地を切り拓いて進んできています。
RYOZAN PARKの元となった”梁山泊”は、中国山東省の沼沢が舞台の『水滸伝』に由来し、「優れた人物たち・有志の集まる場所」として使われます。RYOZAN PARKという光の集まる場所で、私たちeach toneはプリズムとして、明日を虹色に照らしていきたい。

東日本大震災後にコミュニティを立ち上げたオーナーさんは、社会が元気になるには多様性を受け入れるコミュニティが必要だと考えたそうです。

「まずは自分の周りにいる人から元気にする。最初は小さな流れでも、同じ想いをもった仲間が集まれば、いずれは川の流れのようになり、社会を変える動きにつながると信じています」

当時のように、なかなか先の見えない状況に世界が直面する今、会社を立ち上げることになった私たち、each tone。「〜藝術の力を社会へ〜」という企業理念やフィロソフィー、想いや目指すところが双方に通ずるものがあり、ここで新たな出発ができたことに大変感謝しています。

心地よい空間でメンバーと頭をひねりながらアイディアを出し合い、語り合い、時にインスピレーションが降り、一人集中して過ごし、様々な人と出逢い、助けを得て気付けばあっという間に1ヶ月が経っていました。2ヶ月目のスタートを迎えた今日、気持ちを少し新たにして、「”ただいま〜”のオフィス」から新しいものを創り出していきたいと思います。

RYOZAN PARK
https://www.ryozanpark.com