瞳がとらえる世界

5月20日、「víz PRiZMA」(ヴィーズ プリズマ)は、ブランドサイトをオープンします。カウントダウン1週間の今の社内は、協力者・社員入り乱れて、まるで本番直前の舞台袖のよう。このすがすがしい緊張感を、青空と新緑のもと、満喫しています。

「víz PRiZMA」のサービスは、「瞳」からの発想をベースに創りました。

瞳に映る世界。それは、その人の瞳の色と合わさり、小宇宙のような神秘性を醸し出し、写真に撮っても、横から覗いてみても、見ごたえのある絵となります。

ひとは、瞳を通じて世界を感じ取ります。同じ世界を見ていても、ひとりひとりの瞳が見出す世界は、実はユニーク。妊娠すると、妊婦さんの姿が目に付いたり。小さな子供をもつお母さんには、子供の存在がクローズアップされたり。雑踏の中で、特定の人だけが輝いて見えたり。あなたの見ている世界は、実は、あなたにしか見えていなかったりするのです。

物理的な瞳はもちろん、“心の瞳”もまた、興味深い。そういえば、坂本九さんの遺作となった同名の歌*がありました。長年連れ添った奥さまへの想いを込めた歌だそうです。
おとぎ話の中には、みすぼらしいなりをした老人が現れ、その人が実は、世界を救う偉人だったという筋書きが多くあります。星の王子さまは、「本当に大切なものは目に見えない」と言いました。

瞳で伝える世界。瞳で受け取る世界。「目は口ほどに物を言う」と言われますが、目は強力な発信体であり、同時に、受信体でもあります。「目力(めぢから)」に象徴される強さを秘める一方で、うるんだ水晶体には、はかなさも感じられます。

目を開けて見える世界、目を開けても見えない世界。目を閉じて見える世界、目を閉じると見えない世界。世界の見え方と「瞳」の関係は、物理的・表層的な世界を通り越して、時間・空間・意識を縦横無尽に飛び交います。

人が生まれ、限りあるいのちを生き、未来へ溶け込んで逝く、この永遠の営みをとらえるとき、「瞳」のテーマがふさわしいと思いました。

世界の拡がりと、人のもつ無限の想いを「瞳」に込めて。
「víz PRiZMA」の始動まで、あと1週間。each tone 初のプロジェクトである「バーチャル墓地」。「アーティストと創る、新しい“偲び”のかたち」を、どうぞお楽しみに。本日の担当は、柿田京子でした。

* 坂本九「心の瞳」1985年 「心の瞳で 君を見つめれば」で始まる、愛の本質をうたった坂本九の遺作。この歌の収録後に、坂本九は日航機墜落事故によって他界。

メディアの探求

先日、大学時代の友人夫婦が弊社に遊びに来てくれました。同じ専攻だったこともあり、思い出深かった講義『メディア環境論』の話題になったのですが、なかなか興味深いトピックであり、弊社の1stプロジェクトとも関連が深いので、今週の投稿は、下邨が「メディアとはなにか?」について採りあげます。

みなさまは「メディア」と聞いて、なにを思い浮かべるでしょうか?
新聞・雑誌・テレビ・ラジオなど、マスメディアという単語はよく耳にするかもしれません。

メディア(media)
《medium の複数形》

1. 媒体。手段。特に、新聞・雑誌・テレビ・ラジオなどの媒体。「マスメディア」「マルチメディア」
2. 記憶媒体

デジタル大辞泉/小学館 より引用

上記の引用のように、「メディア」の元々の意味は「媒体」なのです。

古くは、「石版」に刻まれた文字。洞窟の壁に描かれた「壁画」。植物性の文字の筆記媒体である「パピルス」。コンピュータの出現により、デジタルデータの特性として、「マルチメディア」という言葉がもてはやされた時代もありました。文字・音・映像などを同じ記憶媒体で記録できることが、表現の手法を大きく変えたことは記憶に新しいです。

では、アートの分野ではどうでしょう。
こと絵画作品においては、支持体と顔料がメディアだと言えるでしょう。「支持体」とは紙やキャンバスなど、絵が描かれるもの。その上に顔料などの「絵具」がのって、絵画作品として表現されるわけです。

絵画作品も、時代と共に大きくその表現方法が変容していきます。「カメラ」の発明により、絵画でしか表現できない世界を模索していった15世紀以降の作家達は、二次元という平面の絵画作品の世界を、どう拡張して表現していくかを試行錯誤し、「遠近法」や「陰影法」という奥行きを感じさせる技法。眼の仕組みを科学的な観点から再現した「点描」。多角的な目線をひとつの平面に表現した「キュビズム」。絵に動きの概念を取り入れた「未来派」。具体的なモチーフではなく、意識や無意識などの人間の心理の内面に着目した「シュールレアリスム」等々。挙げだしたらキリがありません。

弊社each toneの1stプロジェクトは、「いのち」「祈り」「時間」といったかたちのないメディアに挑戦いたします。どうぞ、ご期待ください。

夢を“かたち”に

桜も過ぎ、つつじの季節になりました。本日のエッセイ、柿田京子がお送りします。

each toneは先月、最初の事業であるバーチャル墓地のブランド「víz PRiZMA」(ヴィーズ プリズマ)を発表しました。(【ブランドリリース】 – each tone 合同会社 (each-tone.com)) 5月には、「víz PRiZMA」ブランドサイトを公開。7月のサービス開始へ向けて、走り続けてまいります。

この3ヶ月は、1年分くらいの重みがありました。出会った方々の数は、早くも3桁。早朝から深夜まで、情報やアイデアが交錯して積もる中、初期のつたない発想に、どんどん具体的な方策がついていきました。たわいのない“夢物語”につきあい、貴重な支援をくださった無数の方々に支えられ、夢が“かたち”になりつつあります。

「víz PRiZMA」では、いくつかの先端技術を活用します。そのひとつ、“生体認証”の領域では、全く専門性のないeach toneメンバーに、大学の先生、要素技術をもつベンチャーの皆さん、光学領域の老舗企業、医師、写真家、聴覚専門家の方々などが、それぞれの見地から応援をくださいました。“ブロックチェーン”領域は、最先端を学んだ学生ベンチャーさんが支えてくれます。

これまで存在しなかった類のサービスを、既存の法的枠組みでどう守るのか? はるか未来におよぶサービススコープの規約作成は、難易度MAXとなっていますが、こちらも意欲あふれる弁護士の先生方と挑戦中。知財を支える辣腕弁理士の方々も。

ピンチのたびに、デザイナーやPRプロ、マーケティングと各領域の素晴らしいタレントが現れる、シェアオフィスRYOZAN PARKの人的ネットワーク。思いのほか充実していた、国と自治体の創業支援。そして、企画初期からずっと支えてくれる、東京藝術大学DOORの「墓biz」メンバーをはじめとする、多くのみなさん。

いま、私たちは、ウォルト・ディズニーの言葉を思い浮かべています。

*****

All our dreams can come true, if we have the courage to pursue them. I only hope that we don’t lose sight of one thing – that it was all started by a mouse.

夢を求め続ける勇気さえあれば、すべての夢は必ず実現できる。いつだって忘れないでほしい。すべて一匹のねずみから始まったということを。

*****

「一匹のねずみ」は、多くの方々の力を集め、ディズニーランドとなり、無数の幸せを育てました。私たちのインスピレーションも、やがて“かたち”なり、だれかの支えになれればと。

「~藝術の力を社会へ~」そして「すべてのいのちと 幸せを」。

いろいろなことがあります。良くないニュースも日々飛び交います。でも、心からの感謝をこめて。

そう、世界は美しいのです。きっと。

修了を目の前にして

皆さまこんにちは、船木です。3月に入り、ご自身やご家族の卒業シーズンを迎えられている方も多いでしょうか。私も、each tone創業メンバーとの出逢いの場にもなった東京藝大DOORプロジェクトを、1年間の履修期間を経て今月末に修了します。

コロナ禍の中、スタートも最終講義もオンラインとなった今年度。時間的・物理的な制約を超えて自由度が増したことにより生まれた、新たな学びを体験しました。今までなら制約があり難しかった方の受講も実現したでしょう。

一方、世の多くの方々がそうであったように、時と空間を共にしたくてもすることができない感覚を常にどこかに抱き続けたまま、修了式を迎えることになりました。コロナ禍以前に受講したeach toneの他2名のメンバーから様子を聞く度、羨ましく思うこともありました。

1月末、最終講義が終わりパソコンから「退出」した後。クラスでのざわめきも打ち上げも無い静かな自宅で、どこか宙に浮いていて感情が追いついていかない。

その何とも言えない感覚を埋めたい気持ちもあり、プロジェクト同期の「修了とこれから」に向けた実行委員に手を挙げました。キックオフミーティングに集まった他の受講生からもヒシヒシと伝わってくる、「このまま終わりたくない」「もっと繋がりたい」「ここからまた、はじめたい」という想い。急遽の招集にも関わらず、職場からの参加も含めほぼ全員が集っていたのです。

“会えないもどかしさがあったからこそ、繋がりたい気持ちが溢れ出てくることに気が付いた”

“対話を重ねることが難しかったから、これからもっと知っていきたいと思った”

この1年間抱えてきたもどかしさをも包み込んで、これから少しずつ、新しい繋がり方を探していきたいと思います。

東京藝大DOORプロジェクト:Diversity on the Arts Project…「アート×福祉」をテーマに「多様な人々が共生できる社会」を支える人材を育成するプロジェクト。社会人と藝大生が一緒に学ぶ。

公式サイトはこちら

“ただいま〜”のオフィス

RYOZAN PARKの看板

皆さまこんにちは、船木です。
今日は私たちがお世話になっているシェアオフィスを運営されているRYOZAN PARKさんをご紹介しつつ、創業からちょうど1ヶ月経った今、感じていることを言葉にしたいと思います。

RYOZAN PARKさんは、「働く」「学ぶ」「暮らす」「育てる」の新しい形を提案しているコミュニティです。私たちeach toneは「働く」の部分、シェアオフィスでお世話になっています。アートがお好きで懐も体も存在感も大きなオーナーさん、気さくでヘルプフルなスタッフの皆さん、職業・世代・国を超えた利用者さんなど、多様な方々が不思議と混ざり合いながら空間を共にしています。起業という未開の地に足を踏み入れ、分からないことや戸惑うことも多い私たちに、オーナーさんやスタッフさんは気さくに声をかけ、機会や人を紹介して応援してくださいました。実際にこちらからのご縁が繋がることもあり、少しずつ未開の地を切り拓いて進んできています。
RYOZAN PARKの元となった”梁山泊”は、中国山東省の沼沢が舞台の『水滸伝』に由来し、「優れた人物たち・有志の集まる場所」として使われます。RYOZAN PARKという光の集まる場所で、私たちeach toneはプリズムとして、明日を虹色に照らしていきたい。

東日本大震災後にコミュニティを立ち上げたオーナーさんは、社会が元気になるには多様性を受け入れるコミュニティが必要だと考えたそうです。

「まずは自分の周りにいる人から元気にする。最初は小さな流れでも、同じ想いをもった仲間が集まれば、いずれは川の流れのようになり、社会を変える動きにつながると信じています」

当時のように、なかなか先の見えない状況に世界が直面する今、会社を立ち上げることになった私たち、each tone。「〜藝術の力を社会へ〜」という企業理念やフィロソフィー、想いや目指すところが双方に通ずるものがあり、ここで新たな出発ができたことに大変感謝しています。

心地よい空間でメンバーと頭をひねりながらアイディアを出し合い、語り合い、時にインスピレーションが降り、一人集中して過ごし、様々な人と出逢い、助けを得て気付けばあっという間に1ヶ月が経っていました。2ヶ月目のスタートを迎えた今日、気持ちを少し新たにして、「”ただいま〜”のオフィス」から新しいものを創り出していきたいと思います。

RYOZAN PARK
https://www.ryozanpark.com

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