想いをこめることの意味

お久しぶりです。高橋です。
each toneに勤務し始めて3ヶ月経ちました。

each toneはアーティストと創る新しい偲びの形として、「víz PRiZMA」という会員制のブランドを立ち上げました。
「víz PRiZMA」の入会者は、最初に藝術ワークショップにご参加いただき、1日かけて想いを込めた作品をつくります。
ワークショップの目的は、限りある生に目を向け、生きている大切さを実感し、今後の人生をより良く生きることにあります。

作品に想いを込めるとは、何を指しているのでしょうか。想いをこめた作品を作ったとして、その先に何があるのでしょうか。
わたしの考えを述べてみようと思います。

まず、想いをこめるというのは、誰かのために行動したとき際立って実感されるものではないでしょうか。
例えば、プレゼントを贈るとき、相手が欲しいものは何か考えます。あるアイテムがピンときたら、それはどんなタイミングで使ってもらえるだろうとか、相手が好む色は、と思案を巡らせます。
もしかしたらもう持っているかも、要らないものだったらどうしよう、でもアタリなら喜んでくれるんじゃないかという期待と不安のせめぎあいを「これだ!」と感じた時の自分自身のひらめきを頼りに他の候補を捨て、決断します。
想いのこもったプレゼントとは納得いくまで様々に悩みぬいて決めたものの事だと思います。

作品作りもそれに似ています。
画面の右上にもっと深い色の絵の具が欲しい、もっと強くエネルギッシュに見せたいときはどうしたらいいだろう。何度も絵の具の混ぜ具合や置き方を試します。
思わぬところにはみ出てしまった! そんなときは他を加筆してなんとか良いハーモニーにならないかを探ります。
やりすぎて失敗した時は、最初からやり直すのも大切です。
作品の要素のひとつひとつに、その時何を考えていたかという記憶が伴います。
どうせこんなものだろうという気持ちをぐっとこらえて試行錯誤を重ねて、自分だけがわかる「ここで完成した、もう十分。」という所まで持っていけた時に、想いはこめられたと言えるのではないでしょうか。
このような体験は、自分は何が好きでどのような傾向があって、どういうイマジネーションを持っているのかを確かめることできます。

想いをこめた作品を作り、人生をより良く生きるにはどうすればよいかと考える。とても大きなテーマです。
しかし、私たちは毎日、様々なことに悩んだ上で、複数ある選択肢の中から、ひとつを選ぶことを繰り返しています。例えば、コーヒーはアイスにするかホットにするか。ボッーっとテレビを見ている時に、どのチャンネルを見るか。
ただ、そのことを考える暇もないほど忙しいのです。
だからこそ人生という時間のなかの、ある一日を作品と共に記憶にとどめておいて、その日を結節点にして人生をより良くしたいと念じる。
そして、自分を知ることによって自分らしい活力ある生き方を希望できる。
作品に想いをこめることの意味はそこにあるのではないでしょうか。